Dukkha Vodka(デュッカ ウォッカ)は、
鍼灸師杉山洋平のプロジェクトのひとつです。
考えすぎてしまうことだったり、頭を使いすぎてしまうと、ココロもカラダも疲れきってしまいます。何かにココロが囚われてしまうと、そこから抜け出せなくなる苦しさをどうやって解決していくのか。その解決方法を探してきました。
その過程で、仏教を知ることになりました。仏教とは、悩みを解決するためにはどうすればいいのかということを説いている哲学だということを知りました。
仏教を専門に勉強しているわけではありませんが、その考え方や思想が東洋医学に通じるところもあり、腑に落ちたところを自分なりに解釈し、日々の生活や仕事に活かしてきました。
「Dukkha」はパーリ語で「苦しみ」や「不満」、「不完全さ」を表し、仏教の教えの中で中心的な概念だそうです。仏教では、人生には避けられない苦しみが伴い、これを認識し、理解することが悟りへの第一歩であるとされています。「Dukkha」は、物質的な不足、精神的な不安、老い、病気、死など、さまざまな形で現れます。
「Vodka」はロシア語で「水」を意味する「voda」から派生した言葉で、「命の水」とも称されることがあるそうです。
(ハーベイ・ウォール・バンガーというカクテルが大好きで、ベースがウォッカなんです)
私は、「Dukkha Vodka」という造語に、人間の経験の中での苦しみと快楽の共存を象徴させています。ウォッカのようなアルコール飲料は、一時的な喜びや解放感を提供しますが、それはしばしば苦しみや不満(Dukkha)を紛らわせるための手段でもあります。
仏教的な視点から見ると、「Dukkha」を受け入れ、理解することが精神的成長への道であるとされます。しかし、現実的な世界では、ウォッカのような快楽を求ることもまた、人間の一部です。
まさに、東洋思想での陰陽ですよね。
東洋医学の経典、黄帝内経素問の中に、
「恬淡虚無 真気従之 精神内守 病安従来」という記載があります。
「てんたんきょむ なれば しんきこれにしたがう。精神うちに守り、病いづくんぞ従いこらんや」と読むそうです。
人は、感情を持っています。東洋医学では、その感情を「七情」といいます。
怒、喜、思、悲、憂、恐、驚の七種類の感情の変化のことを指しています。
これは、自分を内とすると、外からの物事に対する感情の変化を指しますが、通常は特に問題はありません。
だけど、怒りすぎたり、悲しすぎたりなど、度が過ぎていくと、精神上に過度の負担、刺激を受けることになって、ストレスになっていきます。
そして、この感情の行き過ぎを解消できなければ、カラダの生理機能に影響を及ぼすとされています。
たとえば、悲しみすぎると元気が出ないし、悩みすぎて同じことを思えば思うほど、ぐるぐる回って解決できない。喜びすぎると、気が緩んで油断したり傲慢になったりしますよね。
感情が行き過ぎると、それはそれで、良くないよということなんです。
つまり、安定した感情は、陰陽のバランスを取り、いい具合に健康であるということなんですね。
Dukkha Vodka(ドゥッカ ウオッカ)という造語に、そんな思いを込めています。